【買取実績】パイロット　シャープペンシル　オートマックE500をお買取りいたしました。

今回は過去にお買取した非常に希少な商品の買取実績ということで、パイロットのシャープペンシルをご紹介いたします。

当店では、「万年筆買取」と銘打ってはおりますが、ボールペン、シャープペンシルでも価値のある物はお買取りさせていただいております。

パイロット　シャープペンシル　オートマック　E500

今回ご紹介いたしますのは知る人ぞ知るパイロットの歴史的名品、オートマックE500です。販売当時の定価は5,000円でしたが、中古市場においては今なお高騰を続けています。

販売時期は日本経済新聞（2012年2月2日付）によると1983年から92年とされていますが、文具店等の情報では2003年頃までは店頭在庫はあった様子です。

さてこちらのシャープペンシル、一体何が凄いのか？

なぜ高額でのお買取りとなったのか？

一言で言い表すと、非常に尖っているお品です。機能も設計もデザインも。

ノックをしなくても自動的に芯が繰り出され、それにより思考が中断されることなく書くことに集中可能。こちらは今現在出回っているシャープペンシルには概ね搭載されている機能ですが、その当時の日本人にとっては非常に画期的な物でした。

日本初のオートマチック（自動芯繰り出し）機構。ノック不要のメリットを大々的に主張するがごとく、ノックボタンを廃しました。

画像左：驚くべきことにノックボタンがありません。画像右：尻のキャップを外すと消しゴムが。

ノックボタンの廃止、これは前代未聞、空前絶後の事です。オートマチック機構の後継機として2011年に発売されたパイロット「オートマック」にも、更にその後継に当たる2021年発売の「S30」にも、ノックボタンは再び搭載されることとなりました。

ノックボタンを押さずとも、延々と芯が出続ける。そして新しい芯も速やかに装填される。この複雑な機構が約135㎜の全長に全て収められているのです。発売時期は昭和、バブル景気が始まる前夜。技術立国日本として、誇るべき製品だったと言えるでしょう。

一方で、フルオートマチック式であるがために、キャップが必要となってしまったのはご愛敬。ペン先（ガイドパイプ）が紙等へ接することで芯が繰り出す仕組みですから、やむを得ない措置と言えます。キャップがないと、芯が出たままで汚れてしまいますからね。

販売停止後、長い休眠期間を経て2011年、ファンの熱い待望に応えてパイロットが「オートマック」復刻を発表した際には大きな話題を呼びました。しかしデザインも大きく変わり、ノックボタンを搭載しダブルノック式になってしまった事はファンを大きく失望させました。

価格を5,000円から3,000円（税抜価格）へ低下、書き心地も向上させるなど相当な企業努力を行ったのですが、「これは『オートマック』とは言えない」と苦言を呈するファンが続出しました。

さて、文房具愛好家達には「いつまでも書き続けることの出来る怪物」「ロストテクノロジー」とまで言わしめた、伝説のオートマックE500。実際の書き心地はどうかと言いますと……

やはりガイドパイプが頻繁に紙に接してしまう事には、悪印象を持つ方が多い様子。特に筆記角度が低い方には、書き心地が悪いという判断を下されやすいようです。

その結果なのか、パイロットは1978年に開発していた「フレフレ機構」の方へ注力。現在も静音化など改良が続けられております。こちらのペン軸を振って芯を繰り出すタイプのシャープペンシルは、ご自宅にお持ちの方が多いのではないでしょうか。

今やオートマックE500発売から40年の時を経ました。実際の筆記の為にというよりは、博物学的関心や同好の士向けの観賞用に、未だに熱い関心を寄せられ続けている歴史的名品です。

ノースペンズではこのような貴重なシャープペンシルも喜んでお買取りさせて頂いております。ご自宅に眠っていた筆記用具でこれは？と思うものがございましたら、是非お写真を撮ってご連絡ください！

（担当速水）

ノースペンズでは中古の万年筆をお買取しています。
「リサイクルショップに持ち込んだら思いの外安くってやめておいた」ですとか、
「自分では価値がわからないから宅配買取は不安」
「送ったはいいけど買取できなくって返送料がかかったら嫌だ」という方でも大丈夫。

ノースペンズなら査定や見積、送料は返送まですべて無料でご依頼いただけます。

他店で断られたもの、お値段が納得行かなかった商品でも大丈夫。ぜひご相談ください。