悪魔のインクか新しい時代のきっかけか? パーカーのインク「ペンマン」について。
どうもみなさんこんにちは! こちら、査定デスクです。
さあさあ今回はですね、ひっっっっっさしぶりにね、珍しい万年筆のご紹介をやっていこうと思います。
いや、というよりも一緒についてる「ヤベーインクの話」をちょっとしたいっていうだけなんですけどね(笑)
パーカー デュオフォールド トゥルーブルー
というわけで今回の画像がこちら。
見出しにもある通り、パーカーのデュオフォールド トゥルーブルー センテニアルです。
言わずとしれたパーカーの高級ラインデュオフォールド。
これだけなら別に普通の限定モデル。
普通の限定モデルってのもおかしな日本語ですけど、まあ「普段はつくられてない軸なのねー」ってくらい。
別に何らおかしなところはありません、ですけどねぇ、この付属インクが曲者でしてね……。
青くて首長なヤベー奴 パーカー ボトルインク 「penman」
はいこの、penman(ペンマン)。こいつが厄介なんですわな。
「ペンマン」ですからね、「万年筆のためにやってきましたー!」みたいな顔しておきながら、実はこいつは結構やべーやつで、巷では「悪魔のインク」なんて言われています。
どういうふうにヤバいかというと……壊すんですよ、万年筆を。
ええもう、バッキリと。ボッキリと。あるいはぐんにょりと。
夜中にこのビンに足が生えていたずらしてんじゃないかってくらい。
そんなファンタジーなことは起こらないんですが、どうしてそうなってしまうかと言うと、成分の問題なんですよね。
詳しいことは色々割愛しますが、このインクの成分って万年筆の透明部分によく使われるアクリルを溶かす性質を持っているんですよ。
もちろん、パーカー社製品は自社製品でテストしているので問題なかったんですが、そんなこと全く知らない消費者は、当時のアウロラとか初期製品とかに、「新しいインク買ったから入れてみよー♪」って上機嫌に入れて……まあ後はお察しのとおりです。
こんなことがあちこちで起こって、「なんかウチで出してるインクやべーのねぇか!?」ってなったパーカー社は大慌てで回収、知らずに入れた万年筆愛好家は阿鼻叫喚したなんていう騒動があったわけですね。
ある意味ではインク沼をつくったボトルインクかも?
インク沼という言葉ができてもうしばらく経ちます。
ともあれ、今日、いろんなインクを試せるようになったのは、このペンマンがいたからとも言えますね。
もちろん、いろんなインクを作りたいというのは自然な欲求ですから、ペンマンではなかったかもしれませんが、こういった悪魔のインクの存在によって
「やべーぞ、下手なインクつくったら信頼を失う……!」ってなったり
「インクの耐性テストしっかりやれ! うちの万年筆は自社インクじゃないとすぐ溶けるとかになったら面目丸つぶれだ!」みたいな話が起こったでしょうから。
もちろんメーカーとしては「ウチのインク以外使わないでね!頼むで!!!」とは言いますけどね? 消費者の行動は縛れないわけですから。
それにこういった問題が起きたのもちょっと不思議なんですよね。パーカーっていったら、そんなぽっと出のメーカーじゃないですから、きちんと製品テストするはずなんですよ。なのにこういう事が起きるって、実はパーカーの信頼を落とすために開発陣の一人が買収されてわざと調査結果を捻じ曲げていたり、あるいは不当な扱いに不満を持った開発員が現場を顧みない上層部に一矢報いるためにわざとやったんではないか……?みたいに妄想したり。
あくまで妄想ですよ、ソースゼロですよ、こんなんは。
まあ色々と半沢なんとかみたいなビジネスドラマも妄想できそうなインクなんです、ペンマンちゃんは。悪魔というか、新しい時代をつくった創造主というか。何にしても万年筆の歴史に一石を投じてくれた、ある意味では、良いインクなんですね。
というわけで、今回はココまで!
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