【万年筆の修理】インクのこびりついた万年筆
どうもみなさん、こんにちは!
こちら査定デスクです!
今回は久しぶりにですね万年筆の分解に関する記事でございます。
インクのこびりついた万年筆をですね、ごっそりきれいにしていきますよー。
ではでは御用とお急ぎでなければお立ち会い。
分解する必要って、あるの?
実際に分解洗浄をする前にですね、そもそも分解する必要があるのってお話もしたいと思います。
だってねぇ、よく見るでしょう? 万年筆は絶対に自分では分解しないでください! だとか、改造は行わないでください、だとか。
そもそもで言えば、万年筆っていうものはわざわざ分解して洗うという必要はありません。
原理を言えば、インクっていうのは水に入れておけば自然と分解するもんだし、分解しないような商品をいつまでも使っていないで新しいのを買ってくださいよっていう話なんですよ。
ただ、これは製造者であるメーカーの理屈と言い分なわけで、我々からするとそうではないわけです。
思い出の詰まった万年筆や、二度と手に入らない万年筆。そういったものが日々舞い込んでくる中、利益としても数字を挙げなければいけない。
平たく言って、インクを何日も何日も薄くなるまで水につけて洗ってまた水につけてなんてことは、やってられないわけですな。
だからこそ、分解洗浄してなるべく早く処理する必要があるのです。
基本は状態把握
では、いよいよ万年筆の分解に入っていきましょうかねぇ。
今回の題材は、セーラーの万年筆。 プロフィット旧型。サイズとしてはプロフィット21と同等で気持ち細く、ペン先には現行品と違って14金ペン先が装着されたタイプ。
万年筆でも自転車でも時計でも同じなんですけれども、大切なのは何をどういうふうにやるかっていうことじゃなくて、今回は何が問題で、それをどう解決するのかってことです。
今回の場合はこちら。
まぁ~まぁ~、汚れておりますわな。
よくある光景です。インクがこびりついていて、ヤケもおこしているし、全体的に傷が多いです。
今回の状況で問題になるのは次の2点です。
1.ペン先、ペン芯内部の固着したインクの除去
2.残ったインクの汚れ
それ以外の細かな傷やスレっていうのは、あんまり除去すると本体そのものを痛めることにつながるので、今回は行いません。
ペン先・ペン芯
はい、そういうわけでやっていきましょう。
今回こちらの商品はかなりインクが固着しています。このまま取ろうとすると、ペン芯のほうが耐えきれずに壊れる可能性があるため、ぬるま湯で濡らしてインクをふやかしていきます。
どれくらいふやかせば良いのかは感覚です。
そのペンの状況やペン芯の状態にもよるので一概に何分とかは言えないんですよね。
超音波洗浄機っていう手段もあるにはありますが、こういう古い商品だと、金属パーツのメッキやそのものにヒビが入っていることもあるので、あまりおすすめはできないですね。
まあ、一日漬けて様子を見てって繰り返すのが一番確実ではありますが、先程も申し上げたとおり、今回は時間がないので、
万年筆を見ずにつけて軽くふやかし、その後にアルコール洗浄。そしてもう一度水洗浄を繰り返します。
そんなこんなで、抜いてみました。こちらがペン先とペン芯ですよ。
ついてるわついてるわ、インクの塊が。
これをピンセットだとか爪楊枝なんかを使って覗いていきます。
仕上げには歯ブラシで細かなところを落として、洗浄です。
表面上のインクが落ちたらまた水に濡らしてふやかして、これを繰り返していきます。
首軸とその他
次に首軸ですね。
一口に首軸といっても、パーツは5つに分かれておりまして、
まず一番下の金属のパーツ、そしてその上のグリップとなる黒いパーツ。
一番上の金色のパーツ、そしてペン先とペン芯を抑える内部パーツが一つ、内部パーツとグリップパーツの間にゴムのリング状パーツがあります。
年代やらなにやらによって微妙にパーツ数が変わったりっていうことはありますが、この中にインクが溜まるってことも多いんですね。
また、この一番上の金色のリング。これがですね、結構な確率で壊れます。だからそこに注意しながら回して取らなければいけないんです。
それらを分解して汚れをとって、また組み上げます。
キャップや軸は基本的にはバラさなくてオーケー。カートリッジ式のものならそこまでインクが入り込んでいたり、入っていたとしても使用に支障が出るということは有りません。
パーツを全部組み上げて、ハイ完成っと。
あとはいろいろね、試筆したり何だりがありますが、オーバーホールといったらこれくらいになります。では、今回はここまで!
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