失敗しない万年筆の買取 第二回~専門買取店って何が良いの?~
はい、どうもみなさん。こんにちは!
こちら、査定デスクです。
今回はですね、前回に引き続き失敗しない万年筆の買取、第二回です。
前回は万年筆の現状について云々っていうのと、リサイクルショップは必ずしも万年筆の価値がわからないという話をしました。
というわけで、今回はじゃあどこに売ったら良いのか、どこで見分けをしたら良いのか、ここを重点的に調べていきます。
それでは、御用とお急ぎでない方はお立ち会い。
目次
万年筆を売るならどこ? 答えは専門買取店
じゃあ実際問題、どこに売ったら良いのよって話なんですが、これは答えをズバリ言いますと、専門買取店です。
私達のように「万年筆を専門的に買い取りますよー」って言っているお店です。
え? そんなのどの店だって買い取ります、専門スタッフがいますって言ってるじゃないかって?
ではもう少しいいますと、「買取品目の中に、万年筆やボールペン、筆記具周りだけを指定しているお店」これが専門店の見分け方です。
なぜこれらのお店が良いのか、理由を3つ、お話し致します。
理由その1 大手総合買取店はもっと違うものを買い取りたい
「専門買取店って個人経営とか、小さいお店が多かったりするでしょ?」
「そんなのより、でかくてたくさん取り扱っているお店のほうが経験ってあるんじゃないの? 設備にもお金かけるだろうしさ」
なるほど、一理あります。
ただですね、ここにはきちんと専門買取店をおすすめする理由があるんです。
と、言いますのはちょっと汚い話ですが、お金が関係してくるんですね。
前回でもお伝えしましたが、万年筆の買取ってのは利益率が低いのです。
需要はあっても効率が悪いんですね。もちろん、企業としては設備や人員を用意して教育を施せばできないってことはないと思います。
では、ここで一つたとえ話をしてみましょう。
もしみなさんが社長だとしたら。
AとB、どちらの方に力を入れるか考えてみてください。
A…3人の従業員を使って月に100時間使って100万の利益を出せる事業
B…3人の従業員を使って月に70時間使って200万の利益を出せる事業
はい、どっちをやりますか?
……Bですよね?
個人店舗にしろ大企業にしろ、事業としてやっていくには利益を出さなければなりません。日々どのようにして利益を上げるか、黒字経営を維持し続けられるか、そういうことを日々考えているのが会社です。
人の数、時間は限られていますので、その中で最も効率的な方法を取りたいものです。
と、考えると……既に集客力を持っていて、アパレルブランド品(ヴィトンのバッグとか、グッチの財布とか)に精通した知識を持っているなら、それらの商品を手に入れるために全力を捧げますし、従業員の教育もそっちを重点的に行います。
基本的にはですが、それ一本でやっている専門買取店よりも総合買取店は知識や経験が不足している場合が多いのです。
「え、ちょっと待って? じゃあ専門買取店の人ってのは仕方なくその商品を買い取ってるの?」
「本当はもっと利益の出る商品を扱いたいんじゃないのぉ?」
と、お考えの方。
いや、そうではないんですよ。私達も理由があってこれを取り扱っているんです。
というわけで次はそのへんのお話。
理由その2 専門買取店はその商品のプロ。細かな記載で高く売れるから、買取額も高い。
万年筆というのは、皆さんも御存知の通りインクを内部に通し、ペン芯からペン先へと伝って書く道具です。
もちろん外観の綺麗さとかも重要なわけなんですが、もっと大事なのは中身の部分……正確に機能するかという点です。
もしここがきちんと機能しなければ、いくら貴重な商品、きれいな商品であってもジャンク品になってしまいます。
で、
「機能の良し悪しをどうやって見分けるの?」
ですとか、
「機能が悪くなっていたらどうやって直すの?」
というところを見分けるには、かなりの習熟度が必要なんですよ。
実際、私達のところへ売られてくる万年筆もそのまま買い取っただけでは売ることはできなかったり、きちんと書けるかどうかが不明な商品ってのが結構あります。
また、買い取るときだけでなく、中古品として販売するときにも、お客さんが気になるのは「これってちゃんと使えるの?」ってところだったりします(もちろん外見も気にしていますけどね?)。
逆に、こういった簡単に外を見ただけではわからない部分さえ状態を判断できれば、利益率はそんなに悪くないのが万年筆やボールペンなんです。
一回時計の針を進めて販売時の例を見てみましょう。
ある質屋さんや買取店さんの販売のアカウントを見ているとわかるのですが、こういった専門性の高い商品を販売するときって「動作未確認です」という文言を入れていたりするんですね。
「7割大丈夫だと思うけど、専門的なことはわからんからね、中古品だからね、その分安くしてあるんだからね。」
といった感じ。
一方で、専門買取店だとどうなるかというと、。
「この万年筆は間違いなく動きます。インク漏れ等ありません。字幅はいくつで、重量はいくつで……」と、様々細かなことを書いておきます。
この2つを見たときに、中古品を買うお客様がどっちの方に高いお金を払うかという話になります。
断然後者のほうが信用できますし、多少高くても安心してお買い物ができますよね?
販売価格を高くできるということは、その分買取価格を高くできるのです。
それで、話を戻しますと、基本的には専門買取店のほうが、その商品が今どういった状況・状態なのか判別ができますし、その判断がつけば、商品がどれくらい高く売れるか、安く売れるかの判断もつくのです。
再販価格が高くなるということは、その分買取価格も高くなる傾向にある。
これは万年筆だけではなく、時計だとか、ホビー用品、PCパーツ、オーディオ機器にも言えることですね。
外観だけじゃなく機能が重要な商品は、絶対に専門買取店のほうがお得です。
理由その3 古い商品、壊れた商品でも買い取れるパターンが多い
最後の理由がこれ。
何でも買い取る総合買取店さんは、本当にいろんな商品の情報を持っています。
しかし、かなり大量の商品を扱う一方で、そのジャンルの廃番になった商品のデータまで抑えているかというと……そうではない。
もちろん数年前の商品くらいなら抑えているでしょうが、基本的に企業の公式ページから消えてしまった商品だったり、一時期にのみ限定生産された商品だったりすると、そのデータを持っていないパターンというのも多いのです。
ですから、何が起こるかというと……
「んん……この万年筆。〇〇って書いてあるけど、今のカタログに載ってないよな」
「まいったなぁ、社内のデータにも残っていないぞ?」
「似ているのはあるけど、同じのかどうかってわかんないよなぁ……」
「ひょっとして偽物……?いや、でも……」
「仕方がない、分かる人はわかってくれるはずだ。安めに値段つけておいて、満足できないなら返送するか、売れたら売れたでオークションで安い価格で出そう」
と、こんな感じで安い価格をつけることに。
あるいは、一見したときに汚れていたりすると。
「うわっ、この万年筆すっごい汚れているぞ?」
「何だこりゃ、インク? も固まってるし……」
「こりゃ使えないな。使用不可、ジャンク品っと……」
実際にはインクさえ除去洗浄すれば新品同様に使える商品がジャンク品扱いで買われることも。
どの買取店を見分けるのか
「なるほど、何でも買い取る店よりは、それだけを買い取る店が良いパターンもある。それはわかった」
「けど、だったらどのお店を見たら良いんだ?」
という質問がありますよね、出てくると思います。
これもご安心を。正直な話、「これを専門で買い取りますよー」というお店が見つかったら、重視すべきポイントは3つです。
と、これ以上書いてしまうと長くなってしまうので、今日はここまで!
次回はそのあたりを話していきたいと思います。ではでは。