失敗しない万年筆の買取 第一回~そこに売って大丈夫?~
どうも皆さん、こんにちは。
こちら、査定デスクです。
今回はですね、
「使っていない万年筆があるんだけど、捨てるのは忍びないんだよなぁ。なんかいい方法ないかなぁ」
っていうお方。万年筆の買取サービスがあるって、実はなかなか知らないんじゃないかと思うんです。
「いやいや、リサイクルショップとかに持っていくやつでしょ? 知ってる知ってる(・∀・)」
いいや、甘い!
特にそこの、近場のリサイクルショップを考えたお方、甘いです。
良いものだから捨てるのはもったいないとお店に持っていっても、実はそれ、捨てるのが自分じゃないだけでほとんど捨てられてしまっているかもしれません。
ということで、変なボッタクリをされず、かつきちんと次の人へつなげるためにはどうするか、そのあたりを今回お伝えしていけたら良いなと書いていきます。
御用とお急ぎでない方はお立ち会い。
万年筆の現状
まず最初に、万年筆を捨てずに誰かに譲ろうとした時にですよ。
果たして受け取ってくれる人がどれだけいるのかという話になります。
数年前の「万年筆ブーム」や「インク沼」という言葉が生まれたとおり、たしかに万年筆が好きって人はいらっしゃいます。
ただそれは
「好きな人は好き」
なのであって、
「万年筆といえば誰にでも役に立つよね」
「ある程度の年齢なら誰だって持つよね」
とはこれまた別な話。
ペーパーレスの時代、スマホやパソコンが仕事の中心になって早ウン十年。
もはや仕事において万年筆を持つということは、大人の嗜みではなくなってきました。
そんな中、悲しきかな万年筆の背負うイメージというのが。
「高そう」
「使うのが難しい」
「面倒くさい」
これだけでも悲しいのですが筆者の経験した最も悲しかった一言が……
「無駄に気取ったカッコつけアイテム」
「100円のボールペンと何が違うの?」
oh…………
ともあれですね。
世の中的には必要か不必要かで言われれば不必要な部類に入ってしまうのです。悲しいことに。
そんな万年筆、
運良く親戚知人に万年筆好きの人がいればともかく、そういったケースは稀有なもの。
あるいはその万年筆自体、知人から譲り受けたものだったりして……。
でも、捨てたくないからどうするのって言うと、リサイクルショップに持っていくっていう話になるんですが、ここでまた別の問題が発生します。
リサイクルショップでは価値がわからない
近くのリサイクルショップに、その万年筆を持ち込んだとしましょう。
「何でも買い取るって書いてあるし、きっと買い取ってくれるだろう」
そう思って売却に行くと思わぬ落とし穴があります。
と、言いますのはですね。
実は万年筆、こういったリサイクルショップに持ち込んでも……
そんなに高く売れないことが多々あります。
実は、こういったリサイクルショップは、小さな個人店舗だと違いますが、色んな所に支店がある大型店舗は、その場で商品を鑑定しているわけではありません。
店舗スタッフが事前に本部から渡されている査定表を元に機械的に判断したり、写真を本部に送って本部の査定担当の社員さんがいくらになるのかを決めているんですね。
で、こういったお店だとなぜ高く売れないのかというと……そもそもの、狙っている商品が違うんです。
もう一度そのお店の広告を見てみてください。
大きく写っているのってたいてい、
「ブランドバッグ」
「時計」
「ジュエリー」
「家電」
「着物」
このあたりじゃないですか?
ブランドで言うなら、
「グッチ」
「エルメス」
「ルイヴィトン」
「ドルチェ&ガッバーナ」
あたりです。
そう、こういった
「何でも買い取りまーす!」と銘打っているお店が買い取りたいのはこれらの商品なんです。
例えば引っ越しや身辺整理のときに、思い切って色んなものを処分しようとしますよね?
そこで「色んなものを買い取ります」「なんでも買い取るので持ってきてください」と伝えます。引っ越しで忙しい中になんでも持ってってくれて、しかもお金になるんだったら助かりますよね?
で、そうして送ってもらった大量の商品の中にさっき挙げたみたいな商品があればいいなってことでこういう売り文句を言うわけです。
万年筆も買い取らないわけではないのですが……はっきり言って、よくご存知でない人がほとんどなのではないかと……
え? 万年筆はブランド物じゃないかって?
ブランド物といっても、バッグや時計などのアパレルブランドに比べ、万年筆や高級ボールペンのブランドは正直なところ、利益が少ないのです。
精密で壊れやすく、チェックするのに技術も経験もいる。おまけに利益率まで低いとなれば、そういったアイテムに割くための時間は、他の物品に割いてしまう。
となればどうするか。
安全策で極めて低い価格をつけて買い取ってしまう、もしくは買取不可能として返却してしまうのです。
このお店に売って果たして本当に大切にしてくれるのか、大切にしてくれる人のところまで届けてくれるのか。心配ですよね?
さて、長くなってしまったので今回についてはここまで。
次回は具体的に、どういうお店に売ったらいいの?
どうやって比較したらいいの?
といったあたりを解説してまいります。